金山山荘キャンプ場に何度も通って分かった注意点|予約・寒さ・買い出し事情

便利な設備が整った高規格キャンプ場も魅力だが、自然そのものを味わいながら静かに過ごしたい人に人気なのが、標高約1,400メートルにある金山山荘キャンプ場だ。

一方で、初めて訪れる人は「予約は取りやすいのか」「GWでも寒いのか」「買い出しはどこですればいいのか」といった点が気になるのではないだろうか。

私はこれまで季節を変えながら複数回利用し、GWや夏休み、通常の週末にも宿泊してきた。その経験から分かった、予約事情や現地で感じた魅力、そして実際に失敗して学んだ買い出し・寒さ・周辺施設に関する注意点を、体験を交えながら紹介する。

ありのままの白樺林とフリーサイトの魅力

金山山荘キャンプ場の最大の魅力は、境界線できっちりと区切られた区画サイトではなく、自然の白樺林をそのまま活かしたフリーサイトである点だ。

何度も利用するうちに、私が設営場所として選ぶようになったのは、白樺の木がほどよく間隔を空けて立ち、隣のサイトと自然に距離が取れる場所だ。テントの前に座ると視界には白樺の林が広がる。

白樺の木立に囲まれたキャンプサイトに設営された2ルームテント「ファシル」
美しい白樺の木立に囲まれた静かなフリーサイト

サイトごとに景色やレイアウトが変わるため、「今日はどこに自分だけの居場所を作ろうか」と考えながら設営する時間そのものが、このフリーサイトならではの楽しさだと感じている。

白樺のフリーサイトに置かれた薪や焚き火台、チャコスタなどのキャンプギアと奥に見えるテント
余計なもののない、必要十分でシンプルな大人の空間

お気に入りのローチェアに腰を下ろすと、愛用のガソリンランタンが放つ「コーッ」という燃焼音と、薪のはぜる音だけが静かに響く。周囲に街灯がほとんどないため、空を見上げると無数の星が広がり、時間を忘れて眺めてしまうことも多かった。実際、このキャンプ場では、焚き火と星空を眺めながら過ごす時間が、毎回いちばん印象に残っている。

夜の白樺林のキャンプ場で、ローチェアに座って焚き火を囲みながらくつろぐ2人の人物
夜になると白樺の白い幹が焚き火の光に美しく浮かび上がる

夜になると聞こえるのは薪の爆ぜる音とかすかに聞こえる川のせせらぎだけだった。普段ならスマートフォンを見てしまう時間も、自然と焚き火を眺め続けていた自分に気付き、何もしない時間の心地よさを改めて実感した。

大型連休でも予約が取りやすいキャンプ場

昨今のキャンプブームにおいて、大型連休やお盆休み、あるいは天気の良い週末のキャンプ場予約は、数ヶ月前から激しい争奪戦になるのが常識だ。行きたいと思ったときにはどこも満サイトで、途方に暮れた経験のある方も多いのではないだろうか。

しかし、ここ金山山荘キャンプ場は、そんな加熱するブームとは一線を画した、良い意味で大らかな空気が流れている。

実は私自身、大型連休やお盆の数日前に電話で問い合わせをして、予約が取れたことが複数回ある。たとえば大型連休前に他のキャンプ場が満サイトで諦めかけたときも、金山山荘キャンプ場だけは電話で受け入れてもらえた。

何度も利用してきた私が感じているのは、金山山荘キャンプ場はSNSやホームページなどで大々的な宣伝をしておらず、設備もトイレと炊事場を中心としたシンプルなキャンプ場であることから、高規格キャンプ場ほど予約が集中しにくいのではないかということだ。

もちろん、これは私自身が複数回利用した中での印象であり、時期によって予約状況は変わるため、利用前には電話で確認してほしい。

雨予報での温かい対応と、山荘で味わった石窯ピザ

私が利用した際に受けた温かい対応で、今でも印象に残っていることがある。

ある週末、天気予報が「雨が降るか降らないか微妙なライン」の時に現地を訪れたことがあった。いざ到着してみると、標高が高いこともあって下界よりもずいぶんと本降りの雨になってしまっていた。

恐る恐る受付に向かうと、山荘の方から「今日は無理して泊まらないで、やめておいた方がいいよ」と、こちらの身を案じて声をかけてくれたのだ。

同行していた子供もすっかり雨で乗り気ではなかったため、その日はお言葉に甘えてキャンセルさせてもらうことにした。こうした利用者に寄り添った柔軟な対応には本当に心が温まる。

その時はキャンセル料は請求されなかった。ただし、対応は状況によって異なる可能性があるため、利用時には確認してほしい。

せっかくここまで来たので、そのまま帰るのも寂しい。実は、受付のある金山山荘本館では、名物の「石窯ピザ」をいただくことができる。その日はキャンプを断念した代わりに、山荘の中でアツアツのピザを子供と一緒に堪能し、お腹も心も満たされて帰路についた。

もちろん、そのすぐ後に訪れた「気持ちよく晴れた週末」に、しっかりとリベンジのキャンプを果たしたのは言うまでもない。

下界では曇り程度の予報でも、標高の高い金山山荘周辺では天候が大きく変わることがあると実感したため、それ以降はウェザーニュースの山岳予報など山の天気予報も確認してから出発するようになった。

金山山荘で失敗しない3つの注意点

ありのままの自然を愉しめる素晴らしい金山山荘キャンプ場だが、下界の感覚のまま向かうと、思わぬ厳しい自然の洗礼を受けることになりかねない。

ここでは、私のリアルな失敗とこれまでの経験から、これから訪れる方に絶対に心に留めておいてほしい3つの重要なアドバイスをお伝えする。

① 買い出しは事前に済ませる

まず最も注意すべきは、キャンプ場周辺の買い物環境だ。金山山荘キャンプ場の付近には、食材や消耗品を買い足せるようなスーパーやコンビニはいっさいない。

山道をかなりのぼった山奥に位置しているため、「足りなければ後で買いに行けばいい」という考えは通用しない。一度サイトを構築したあとに、再び狭い山道路線を下って買い出しに向かうのは想像以上に骨が折れるものだ。

メニューをあらかじめ決めておき、中央自動車道のインターチェンジを降りた付近にある大型スーパーなどで、食材や薪などの必要な物資は完璧に揃えてから現地へ向かうのが鉄則である。

私も一度、現地に着いてから焚き火で焼くためのマシュマロを買い忘れたことに気づいた。しかし、テントを張り終えたあとに長い山道を長時間下って買い出しに行く気にはなれず、その時は焚き火を眺めながらマシュマロを焼く楽しみを諦めることになった。

些細な買い忘れでも気軽に買い足せないため、金山山荘キャンプ場では買い忘れがないか、食材調達時に念入りに確認しておくことが大切だと実感した。

② ゴールデンウィークでも防寒対策は必須

2つ目は、山の「気候」についてだ。まだ初夏の汗ばむ陽気を感じることもあるゴールデンウィーク(GW)だが、ここ金山山荘の寒さを絶対に甘く見てはならない。

かつて私は、GWだからと油断して一般的なスリーシーズン用のシュラフだけを持って泊まったことがある。日中は過ごしやすかったものの、夜になると一気に冷え込み、シュラフの中に入っても足先が冷えて何度も目が覚めた。標高約1,400メートルの夜は、下界のGWとは完全に別物だと痛感した。

この経験以来、私はGWでも冬用シュラフとダウンジャケットを持参するようにしている。春や初夏でも夜間は気温が大きく下がることがあるため、防寒装備は余裕を持って準備しておくと安心だ。

③ 温泉情報と山荘の500円シャワー

3つ目は、キャンプ帰りの愉しみでもある周辺の「お風呂」に関する重要な最新情報だ。周辺の定番スポットとして有名だった「増富の湯」は、2026年現在、施設の老朽化に伴うメンテナンスのため休業中となっている。

※施設情報は変更される可能性があるため、訪問前には公式情報を確認してほしい。

近隣の温泉施設が使えないとなると困ってしまうが、そんなときに非常に頼りになるのが、キャンプ場から道を挟んですぐ向かいにある「金山山荘本館」のシャワーだ。

料金は1回500円で利用することができる。実際に使ってみると、温泉施設のように湯船でゆっくり過ごす場所ではないが、設営でかいた汗を流すには十分だった。長居する施設ではなく、短時間でさっぱりして帰るための実用的なシャワーと考えた方がいい。

なお、脱衣所・着替えのスペースが少し手狭な造りになっているため、お風呂セットや着替えなどの荷物はあらかじめコンパクトにバッグ等へまとめて持参するのが、スマートに利用する小慣れたコツだ。

今回は近隣温泉が休業中だったため、金山山荘本館のシャワーを利用したが、普段のキャンプでは日帰り温泉へ立ち寄ることも多い。撤収後に温泉へ入ることで、キャンプの余韻をそのまま楽しみながら日常へ戻れると感じている。その理由については、こちらの記事で詳しく紹介している。

キャンプ帰りに日帰り温泉に入って分かった|余韻を保ったまま日常へ戻る習慣

場内に現れる小さな隣人|猫との付き合い方

最後に、このキャンプ場ならではの環境についてひとつ。金山山荘の場内には、時折とても人懐っこい猫がふらりとサイトに姿を現すことがある。

ネットの口コミなどでは「可愛いマスコット」のように書かれていることもあるが、実際のところは顔に目やにがついていたり、毛並みも少し汚れていたりと、いかにも野生をたくましく生きる「外猫」といった風情だ。そのため、特別に猫好きでなければ、あまり積極的に撫でたいとは感じないかもしれない。

ここの猫との付き合い方は、キャンパーそれぞれのスタンスで構わない。人間側が関心を示さずにいれば、猫たちは悪さをすることもなく静かにその場を去っていく。

無理に追い払う必要もないが、気が向かなければ構う必要もない。そんな「お互いに干渉しすぎない気楽な距離感」で、静かな高原の時間をそれぞれに過ごすのが、ここでのちょうどいい付き合い方と言えるだろう。

まとめ|何もないからこそ、心に深い豊かさが生まれる

金山山荘キャンプ場は、予約の取りやすさや白樺林の美しいフリーサイトが魅力である一方、買い出しや防寒対策、周辺施設の事前確認など、訪れる前に知っておきたいポイントもある。

私自身、季節を変えながら何度も利用したことで、「買い忘れは現地では取り返せない」「GWでも十分な防寒が必要」「周辺温泉の営業状況は事前に確認した方が安心」といったことを実感した。この記事が、これから訪れる人の準備や計画に少しでも役立てばうれしい。

そのうえで現地を訪れれば、白樺林に囲まれた静かな時間や、焚き火と星空を眺めながら過ごす贅沢なひとときを、より安心して楽しめるはずだ。便利さではなく自然の豊かさを味わいたい人には、何度でも足を運びたくなるキャンプ場だと感じている。

コメント