シニアの稚内ソロキャンプ3泊4日|飛行機とレンタカーを選んだ理由と道具の工夫

北海道の最北端、稚内でソロキャンプをしてみたい。でも、関東から自分の車で行くとなると、移動だけでもかなり時間がかかる。

飛行機なら移動時間は短くなるが、キャンプ道具をどう運ぶかも気になる。若い頃なら長い移動も旅の楽しみだったが、59歳になった今、同じような旅をするには少し考えてしまう。

そこで夏の4日間、飛行機とレンタカーを使って稚内へ行ってきた。高校時代の自転車旅行や、20代のバイク旅行では訪れなかった宗谷地方だ。

今回は、実際に泊まったキャンプ場や道具の工夫、宗谷岬での思い出を交えながら、3泊4日のモデルルートを紹介する。移動や荷物の負担を抑えて稚内を巡るために、何を準備し、どこに注意すればよいかを、今回の経験からまとめた。

59歳で選んだ飛行機とレンタカーの旅

高校生の頃、私は自転車で北海道を3週間旅した。その後、25歳頃にはバイクでも北海道を訪れている。

当時はフェリーで北海道へ渡り、テントを積んで各地を巡った。長い距離を走ること自体が楽しく、移動も旅の大切な時間だった。ただ、そんな旅をしていながら、稚内や宗谷岬、サロベツ原野には行っていない。

いつか訪れたいと思っていたが、社会人になると長期間の休みを取るのは難しい。今回も使えるのは4日間だけ。せっかくなら移動に時間をかけるより、まだ訪れたことのない宗谷地方で過ごす時間を確保したかった。そこで今回は、飛行機で稚内まで行き、現地でレンタカーを借りることにした。

羽田空港から稚内空港までは、直行便ならおおむね2時間弱。便数や運航日は時期によって変わるが、フェリーと自家用車で行くよりも現地で過ごす時間を確保しやすい。

レンタカーならキャンプ道具を積んだまま観光できるし、天候や体調に合わせて予定も変更できる。そして、北海道の道を走り始めると、やっぱり北海道はいいなと思う。

どこまでも続く道と、その向こうに広がる大地。本州ではなかなか味わえないスケールの大きさで、どこか外国に来たような感覚になる。

そんな景色の中を走っていると、自然と顔がにやけてくる。ただ走っているだけなのに楽しい。若い頃、自転車やバイクで北海道を旅したときの気持ちが、少しよみがえってきた。

稚内ソロキャンプ3泊4日のモデルルート

稚内を拠点に4日間で旅をするなら、宗谷岬方面とサロベツ原野方面を別の日に分けると、無理のない行程になる。以下は、今回の旅で訪れた場所をもとに整理した3泊4日のモデルルートだ。

1日目は買い出しとキャンプ場へ

初日は稚内空港でレンタカーを借り、市街地で食料とキャンプ用のガスカートリッジを購入してからキャンプ場へ向かう。

時間があればノシャップ岬へ立ち寄るのもよいが、初日から予定を詰め込みすぎない方がよい。

飛行機の到着後は荷物の受け取りやレンタカーの手続きもある。ソロキャンプでは設営も食事の準備も一人なので、明るいうちにテントを張り終えたいところだ。

2〜3日目は宗谷岬とサロベツ原野へ

2日目は宗谷岬と宗谷丘陵を巡る行程だ。宗谷岬は稚内市街地から車でおおむね40分。実際に最北端の地に立つと、ずいぶん遠くまで来たものだと思った。

この海の向こうは樺太(サハリン)なのか……。

地図では何度も見ていた場所だが、実際に宗谷岬に立ち、海の向こうに樺太があることを思うと、地図を眺めているだけでは感じられなかった距離を実感した。若い頃の北海道旅行では来られなかった場所だけに、最果ての地という言葉がしっくりきた。

宗谷岬の近くには、緩やかな丘が続く宗谷丘陵もある。ホタテの貝殻を敷き詰めた「白い道」は知られた観光スポットだが、道幅の狭い区間もあるため、通行ルールには注意したい。

3日目は日本海側のオロロンラインを走り、サロベツ原野方面へ向かう。

道道106号線には、電柱や電線のない直線道路が長く続く区間がある。天候がよければ日本海の向こうに利尻富士を望める道だ。

今回の旅でも、この方面の広々とした景色を楽しみにしていた。観光地を次々に巡るより、気に入った景色の前で車を止め、ゆっくり眺める時間を大切にしたい。

サロベツ湿原センター周辺には木道が整備されており、湿原の自然を歩いて楽しめる。

北海道の道は距離が長く、運転時間もかかる。適度に休憩を取り、夕暮れ前にはキャンプ場へ戻る計画が安心だ。

4日目は撤収と帰路へ

最終日はテントを撤収し、レンタカーを返却して稚内空港から帰宅する。

テントが朝露や雨で濡れていた場合に備え、大きめの防水袋を用意しておくと便利だ。

また、レンタカーの給油や返却手続きにも時間がかかるため、最終日は観光を欲張らず、空港へ余裕を持って向かいたい。

実際に泊まった稚内森林公園キャンプ場

今回、私が利用したのは稚内森林公園キャンプ場だ。市街地から比較的近く、買い出しや観光の拠点にしやすい無料のキャンプ場で、設備も比較的シンプル。こういうキャンプ場は私の好みに合っている。

稚内市の案内では、開設期間は5月1日から10月31日までで、予約は不要となっている。

ただし、テントサイトへの車の乗り入れはできず、駐車場からサイトまでは約50mある。

今回の荷物は、70リットルの登山用リュックとサブザックにまとめてきた。高校時代にワンダーフォーゲル部でテント泊登山をしていたこともあり、背負って運ぶスタイルには慣れている。実際、レンタカーからテントサイトまで荷物を運ぶのも、それほど苦にならなかった。

普段のオートキャンプなら、つい道具を多く積んでしまう。しかし今回は飛行機での移動なので、必要なものだけに絞った。それが結果的にキャンプ場での荷物運びにも役立った。

車を横付けできないキャンプ場でも、荷物を背負って運べるようにまとめておけば、負担を減らせる。

一方、設備の充実や車からの荷物運びを重視するなら、北海道立宗谷ふれあい公園オートキャンプ場も候補になる。

こちらは今回宿泊していないが、予約できるオートキャンプ場で、空港にも比較的近い。2026年の営業期間は4月29日から9月30日までと案内されていた。

どちらを選ぶにしても、料金だけでなく、荷物の運びやすさや買い出しのしやすさも考えたい。営業期間や予約条件は、利用前に公式情報を確認しておこう。

また、北海道でキャンプをするなら、ヒグマへの注意も忘れてはいけない。

稚内森林公園キャンプ場を利用する場合も、出発前に周辺の出没情報やキャンプ場の利用状況を確認しておきたい。食料や生ゴミをテントの周囲に放置せず、施設のルールに従って管理することも大切だ。

ヒグマの出没情報や利用制限がある場合は、無理にキャンプをせず、宿泊先を変更することも考えたい。

飛行機キャンプの道具と注意点

普段のオートキャンプではガソリンランタンやガソリンコンロを愛用しているが、飛行機を利用する今回は装備を見直す必要があった。

70リットルのリュックとP-153

飛行機では、キャンプ用のガスカートリッジやガソリンなどの燃料を、機内に持ち込むことも預けることもできない。

そこで今回持参したのが、プリムスのP-153だ。コンパクトに収納できるガスバーナーで、荷物を減らしたい今回の旅に向いていた。

木製テーブルに置いたプリムスP-153と大きさ比較用のiPhone
今回の稚内ソロキャンプに持参したプリムスP-153。iPhoneと並べると、収納時のコンパクトさがよく分かる。

ランタンはLEDと迷ったが、プリムスのIP-2245Aにした。手軽さではLEDランタンに分がある。しかし、コンロとランタンで同じ種類のガスカートリッジを使えることに加え、私自身、LEDよりもガスランタンの雰囲気が好きだからだ。

テントや寝袋なども含め、荷物は70リットルの登山用リュックとサブザックにまとめた。

この組み合わせなら、自宅から空港までの移動にも対応できるし、キャンプ場で車からテントサイトへ荷物を運ぶのもそれほど苦にならない。

高校時代のテント泊登山を思い出すような装備だった。

ただし、軽さだけを優先して防寒着まで減らすのは避けたい。飛行機の受託手荷物には重量やサイズの制限があり、バーナー本体やペグ、刃物、バッテリー類にも取り扱い上の決まりがあるため、航空会社への確認が必要だ。

燃料の現地調達と夏の寒さへの備え

P-153(コンロ)とIP-2245A(ランタン)に使用するガスカートリッジは、稚内に到着してから購入した。

DCM稚内店などのホームセンターやアウトドア用品店が購入先の候補になるが、希望するOD缶の在庫があるとは限らない。出発前に営業時間や取り扱いを確認しておくと安心だ。

また、購入したガス缶は帰りの飛行機にも持ち込めない。私の場合、使用後のガス缶はキャンプ場のゴミ捨て場で、現地のルールに従って処分した。ただし、すべてのキャンプ場で回収しているわけではないため、残ったガスの扱いも含めて処分方法を確認しておきたい。

もう一つ気をつけたいのが、夏の稚内の寒さと強風だ。

関東では猛暑でも、道北では朝晩に冷え込むことがある。私は夏のキャンプでも薄手の防寒着(小さくなるライトダウンジャケットなど)と雨具を持って行くようにしている。

そして、天候が悪ければ無理をしないことも大切だ。以前、雨が強くなる予報だったため、キャンプ場まで行きながら設営せずに帰ったことがある。

せっかく来たのだからテントを張りたい気持ちはある。でも、強風や大雨の中で無理をする必要はない。3泊4日だからといって、必ず3泊ともキャンプにする必要はない。 天候によってホテルへ変更する選択肢も考えておきたい。

まとめ

関東から稚内へのソロキャンプは、飛行機とレンタカーを組み合わせれば、3泊4日でも楽しめる。

今回の旅で大切だと思ったのは、次のことだ。

  • 移動時間を減らし、現地で過ごす時間を確保する
  • 宗谷岬方面とサロベツ原野方面は日を分けて巡る
  • 70リットルのリュックとサブザックに荷物をまとめる
  • 燃料の現地調達や寒さ、強風への備えを忘れない
  • 無理に予定を詰め込まず、天候や体調に合わせて行動する

高校時代の自転車旅行や、25歳頃のバイク旅行と比べれば、今回の稚内旅行はずいぶん短い日程だった。

それでも、若い頃に行けなかった北海道最北端まで足を延ばすことができた。

本州では味わえない広々とした景色の中を走り、思わず顔がにやける。そして宗谷岬に立ち、この先は樺太なんだと思ったとき、遠くまで来たことを改めて実感した。

59歳になった今、昔と同じ旅を再現する必要はないと思っている。移動には飛行機とレンタカーを使い、キャンプ道具は必要なものに絞る。そして現地では、時間に追われず景色を楽しむ。

そんな3泊4日の稚内ソロキャンプも、なかなかよいものだと思う。

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