200ccバイクで林道キャンプ|無理をしないために私が学んだこと

20代の頃、私は200ccのオフロードバイク(SUZUKI SX200)で何度も林道へキャンプに出かけていた。最初は正直、不安しかなかった。

「本当にこの道で合っているのか」「転倒したらどうしよう」「一人で戻れなくなったらどうするのか」。そんなことばかり考えていた。

それでも走り続けるうちに分かったのは、林道で本当に大切なのは運転技術よりも無理をしない判断だったということだ。

実際に何度も走る中で、荷物の積み方を変えたり、危険を感じて引き返したり、予定を変更したりしながら、自分なりのルールができていった。この記事では、その経験をもとに、初めて林道キャンプへ挑戦する人に伝えたい判断基準をまとめる。

200ccバイクの軽さが林道で助けになった

林道へ行くなら250ccのオフロードバイクのほうがいいのではないかと思っていた。ところが私の場合、実際には違っていた。

私が乗っていた200ccのオフロードバイクは、高速道路ではもう少し余裕が欲しいと思う場面もあったが、林道では軽さが安心感につながった。

なぜなら細い道で向きを変えたり、ぬかるみで足を着いたり、倒れたバイクを起こしたりする場面では、車重が軽いことのありがたさを何度も実感したからだ。私の場合は、速さよりも扱いやすさのほうが安心して走れた。

私自身、林道で楽しかった記憶の多くはスピードではなく、景色を楽しみながらゆっくり走れた時間だった。

バイク選びに正解はないが、初めて林道へ行くなら、排気量だけでなく安心して扱えるかどうかも大切な判断基準になると感じている。

最初に見直したのは運転ではなく荷物だった

林道では荷物の積み方で走りやすさが驚くほど変わる。最初はリュックを背負っていた。しかし段差のたびに体が振られ、上半身も自由に動かせない。

途中からリュックはやめ、荷物は量を減らし、できるだけ車体へ固定するようにした。また、林道では荷物を高く積み上げるほど重心が高くなり、段差や傾斜でバランスを崩しやすくなる。私も荷物を欲張った日は走りにくさを感じたので、必要最低限に絞り、高く積み上げないことを意識するようになった。

特に意識したことはつぎのとおりである。

  • 荷物は高く積み上げない
  • 左右の重さをそろえる
  • ロープは休憩のたびに締め直す
  • 背中には極力何も背負わない

荷物を見直しただけで、林道での疲労感はかなり変わった。バイクの性能を変えなくても、積み方ひとつで走りやすさは大きく変わることを実感した。今振り返ると、運転技術を磨くより先に荷物の積み方を覚えたことが、安全に走れた一番の理由だったように思う。

森に囲まれた砂利道の脇に停められた、荷物を積んだオフロードバイク
荷物は高く積み上げないように固定した。

危険を感じたら引き返す勇気を持つ

林道を走るようになって、一番大切だと感じたのは「引き返す勇気」だった。一度だけ、「この先は危ないかもしれない」と思いながら進んだことがある。北海道のシュンクシタカラ湖付近の林道だった。

道幅は狭くなり、路面には大きな石が目立つようになってきた。もし転倒したら、一人でバイクを起こせるだろうか。さらに先へ進んで引き返せなくなったらどうしよう。そんな考えが頭をよぎった。

深い森の中に続く細い未舗装路と、路肩に停められた白いオフロードバイク。シュンクシタカラ湖付近の林道。
シュンクシタカラ湖付近の林道にて。道の傾斜と狭まりを感じ、撤退を決めた瞬間の景色。

しばらく立ち止まって考えた末、その日は先に行くことを諦めて引き返した。少し悔しさはあったが、後になって「あの判断で良かった」と思っている。

林道は目的地へ着くことよりも、無事に帰ることのほうがずっと大切だ。危険を感じたら引き返すのは失敗ではない。次も安心して走るための判断だと思っている。

北海道キャンプ旅の記録もあわせてご覧ください。

地図で現在地を確認する習慣をつける

林道は分岐が多く、目印も少ない。私も「たぶんこちらだろう」と進んで、気付けば予定とは違う方向へ走っていたことが何度かあった。

それ以来、分岐では一度止まり、現在地を確認してから進むようにしている。

今はスマートフォンで位置を確認できるので便利になったが、大切なのは紙の地図かスマートフォンかではなく、「自分が今どこにいるのか」を常に把握しておくことだ。

焦って走り続けるより、少し止まって確認するほうが結果的に安全で、安心して林道を楽しめる。

木々に囲まれた林道の脇に停められたオフロードバイクと小川
せせらぎの音を聞きながら小休憩。ここで現在地も確認した。

林道キャンプを楽しむために一番大切なこと

林道キャンプの魅力は、美しい景色や静かな時間だけではない。舗装路では味わえない景色に出会えたり、誰もいない場所で自然の音だけを聞きながら過ごせたりする。その時間は今でも忘れられない。

一方で、林道には転倒や道迷いなど、舗装路にはない危険もある。だから私は、景色を楽しむことよりも「無事に帰ること」を優先するようになった。

危険を感じたら引き返す。荷物を欲張らない。現在地を確認しながら走る。通行止めには入らない。

一つひとつは当たり前のことかもしれない。しかし、その積み重ねが安心して林道キャンプを続けることにつながった。

今でも、「もう少し先まで行ってみよう」と思うことはある。それでも最後は、安全だと思える判断を選ぶようにしている。

林道は逃げない。また次に走ればいい。そう思えるようになってから、焦ることがなくなった。結果として、林道キャンプそのものを以前より楽しめるようになった。

初めての林道キャンプで確認したいこと

初めて林道キャンプへ行く人に伝えるなら、次のことを意識するだけでも走りやすさは変わると思う。

  • 無理だと思ったら迷わず引き返す
  • 荷物は必要最低限にして高く積み上げない
  • 背中にはできるだけ荷物を背負わない
  • 分岐では現在地を確認する
  • 通行止めや立入禁止には入らない
  • 時間に余裕を持って行動する

どれも特別な技術ではない。私自身、何度も林道を走る中で少しずつ身につけてきたことばかりだ。

林道キャンプは、速く走れる人だけが楽しめる遊びではない。慎重に判断しながら走る人ほど、長く安全に楽しめるものだと思っている。

※このSX200での長距離キャンプ旅については、紀伊半島を巡った記録も残している。

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