社労士を目指す社会人へ!仕事と両立できた勉強法とは?

社労士を目指す社会人にとって、最大の壁は「時間がない」という現実です。私もその一人でした。 ITエンジニアとして働きながら、共働き家庭で2人の子育て中。残業や休日出勤もある日々の中で、 1日に3時間の勉強時間をまとめて確保するのは、正直かなり難しい状況でした。

それでも私は、1年半の勉強で社労士試験に合格することができました。ポイントは、 通勤時間+隙間時間の積み重ねで、1日トータル3時間の学習時間を確保できるように工夫したことです。 この記事では、多忙な社会人でも無理なく取り組める社労士勉強法について、私の実体験をもとに具体的に紹介します。

限られた時間で合格を目指す方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。

通勤時間の1時間を軸にして毎日継続

社労士を目指す社会人にとって、毎日まとまった勉強時間を確保するのは簡単ではありません。 私の場合も、まとまった時間を作って机に向かうことはほとんどできませんでした。

そんな中で有効だったのが、毎日の通勤時間の活用です。片道1時間、往復2時間の通勤電車の中で、 テキストを読む時間をしっかり確保するようにしました。

通勤電車の中では、座ってしまうと眠くなってしまうため、私はあえて立って読むように工夫しました。 ドアの近くは混んでいたり、人の出入りでテキストが読みづらいので、できるだけ空いている車両の端に移動してテキストを開くスペースを確保し、吊革につかまりながら読むようにしていたのです。

この通勤中の勉強時間は単純計算でトータルの勉強時間の半分以上を占めていて、この時間がなければ、とても合格レベルの知識を得ることはできませんでした。

社会人が確実に勉強時間を作るために、毎日の通勤時間を勉強の中心にするのはとても有効だと感じました。

テキストは1冊に集約。予習と復習で最大限に活用する

社労士の勉強を始めるにあたり、私はノートを使わない方針にしました。代わりに活用したのが、 予備校で配布されたテキストの余白です。

私が通っていた予備校(TAC)のテキストは、1科目ごとに厚さが約1センチと薄く、持ち運びやすいものになっていました。 さらに余白が多く取られていたため、ノートを別に用意せず、講義中のメモや板書の内容をすべてテキストの余白に 書き込むようにしていました。

予備校のテキストの余白に図やメモを書き入れた写真
予備校(TAC)のテキストは余白が多く取ってあり、その余白に板書や図などを書き入れるようにした

この方法はTACの合格体験記にも載っていましたし、最初の講義で講師の先生が「テキストの余白を有効活用してください」とおっしゃっていたので、私以外のまわりの受講生もそのように余白に書き込んでいる方は多かったです。

また、私は講義の時はルーズリーフを1枚用意して、直接テキストに書き込むことが難しい内容などは、いったんそのルーズリーフに書き込んで、復習時にわかりやすくまとめてテキストに転記し、そのルーズリーフは破棄するというスタイルをとっていました。

これにより自分だけのオリジナルテキストが完成して、復習の際にはテキスト1冊を開けば、その中に自分の理解や講師の解説がすべてまとまっている状態にできました。 時間やスペースの制限がある社会人にとって、この“1冊完結型”の学習スタイルはとても相性が良かったです。

さらに、私はテキストの読み方も工夫をしていました。講義までに、まずその日の講義範囲をざっと読み、 完全に理解しようとするのではなく「分かりにくい部分」や「疑問点」を意識的に見つけるようにしていました。 あらかじめ気になるポイントを把握しておくことで、講義中はその点を意識して聞けますし、それでも理解できなければ 講師に質問することもできます。

講義後は、余白に書き込んだ板書や補足メモも含めて再度読み直し、記憶の定着を図りました。 復習では、講師の説明や自分の言葉で書いたメモがあることで、内容の再確認がスムーズに進みました。

このように、テキストを「予習 → 講義 → 復習」というサイクルで活用し、しかも1冊に情報を集約することで、 勉強時間や環境に左右されず、いつでも学習に取りかかれる状態を作ることができました。

社会人の勉強法においては、道具や場所をシンプルにすることが、学習の継続に繋がります。 私にとって、このテキスト1冊の活用法は、少ない時間を最大限に活用できるとても良い方法でした。

帰宅前に駅前カフェで勉強する習慣をつくった

平日の仕事帰りや日曜日の講義の後に、私は自宅に直行するのではなく、最寄り駅の駅前にあるカフェに立ち寄って勉強する習慣をつくっていました。 この習慣が、学習時間を安定して確保する上で非常に効果的でした。

家に帰ってしまうと、どうしても気が緩みがちになります。テレビやネット、家事など、集中をそがれる要素が多く、 勉強を始めるまでに時間がかかってしまうのです。

その点、カフェでの勉強は程よい緊張感がありました。テーブルもあり、テキストに書き込む作業もできたし、人の目がある環境というのもあって、 短い時間でも集中することができました。

私の場合、カフェでは「22時まで勉強する」と決めていました。時間を区切ることで、ダラダラと目的なく続けることなく、 逆に限られた時間で効率的に取り組もうという意識が自然と生まれます。

また、駅前にあるという立地もポイントです。帰宅動線の中に組み込めるので、無理なく寄れる場所であることが継続の大きな支えになりました。カフェでは時々自分へのご褒美にスイーツを食べたりして、いい気分転換にもなりました。

社会人の勉強法では、「いつ勉強するか」だけでなく、「どこで勉強するか」も重要な視点です。 自分にとって集中しやすい環境を見つけ、習慣化できるよう工夫することで、継続へのハードルはぐっと下がると実感しました。

隙間時間の勉強でも、目的を持って行う

社会人にとって、まとまった勉強時間だけに頼るのは現実的ではありません。だからこそ、隙間時間をどう使うかが 社労士試験の勉強では重要なポイントになります。

通勤電車の中や昼休み、あるいは何かを待っている時間など、1日を通して見れば細かい隙間時間は意外と多く存在します。 私はそうした時間を「なんとなくテキストを眺める」のではなく、「今日はこの項目を確認しよう」というふうに目的を持って学習ようにしていました。

また、通勤電車の中が混雑していてテキストを広げられない場合や、ほんの数分しか時間がないときのために、 私は常にワイシャツの胸ポケットに小さなメモ帳を入れて持ち歩いていました。

このメモ帳には、暗記すべき表や数式、数値などを自分の字で書いたり、テキストの図表を縮小コピーして貼り付けたりしていました。 テキストを開けない場面でも、メモ帳で必要な知識に繰り返し触れることができたのです。

たとえば、都内の地下鉄の長いエスカレーターに乗っている時や、昼食を頼んで料理が運ばれてくる数分の待ち時間にも、 そのメモ帳を取り出して見返していました。

暗記用に
暗記事項を記入したミニサイズのメモ帳を常にワイシャツのポケットに入れていた

ほんの数十秒でも、目的を持って反復すれば記憶に残ります。逆に、何となく「やった気になる」だけでは、時間を浪費してしまいます。

社労士を目指す社会人が効率よく勉強するには、隙間時間を「短いからこそ集中する時間」に変える視点が欠かせないと実感しました。

社会人の勉強は無理せず続けられる仕組みが大事

私は、平日はまとめて3時間の勉強時間を確保することができませんでした。 通勤や隙間時間でかき集めていたというのが実際のところです。

もちろんうまくいかなかった日もあります。そういう場合は、休日出勤の代休日や、 休日出勤がなかった土曜日や祝日に挽回するようにしていました。

そんな状態でも、1年半続ければ、確実に知識は身につきます。重要なのは、継続するための仕組みを作ることでした。

決して完璧ではなかったものの、自分の生活リズムの中に「ここでは必ずテキストを開く」という時間を いくつも作ったことが、結果的に社労士試験の合格につながったと思います。

まとめ

社労士を目指した当初、私には勉強に理想的な環境があったわけではありません。 共働き、子育て中、残業ありという状況の中で、どうすれば毎日勉強を続けられるかを常に考えてきました。

結果として、通勤時間を軸にした学習、テキスト1冊への情報集約、駅前カフェでの夜学習、 目的を持った隙間時間の活用など、少しずつ「自分なりのやり方」を形にしていったことで、1年半で合格につなげることができました。

社会人にとっての勉強法とは、時間や気合いだけで乗り切るものではなく、「仕組み化」と「工夫」によって 毎日を無理なく続けられるようにすることだと思います。

もちろん完璧にできたわけではありません。 でも、多少うまくいかない日があっても、「あきらめずに戻ってこれる自分のスタイル」があったことが、大きな支えになりました。

この記事で紹介した私の体験や工夫が、これから社労士を目指す社会人の方にとって、少しでもヒントになれば嬉しく思います。

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