社労士を目指すと決め、妻の理解をなんとか得た私は、いよいよ勉強方法を選ぶフェーズに入りました。「通学するか?通信にするか?それとも独学か?」どの方法にも一長一短がありますが、結果的に私は予備校の通学コース(日曜クラス)を選びました。ちなみに、私が通った予備校はTACです。この記事では、その理由と、私なりの工夫についてお話ししたいと思います。
予備校か独学か?ルーズな私が「予備校の通学」を選んだ理由
まず悩んだのは、独学でいくか、それとも予備校を使うかという点です。独学の一番のメリットは、なんといっても経済的に安く済むこと。最近では良質な市販教材もたくさんありますし、SNSなどで勉強仲間を見つけることもできます。でも私は、ルーズな性格で、学生時代の夏休みの宿題も最終日に徹夜してやるタイプ。何より、何かと理由をつけては先延ばしにしてしまい「自分一人ではペースを守れない」というのが分かっていました。
そこで、ある意味「自分のだらしなさと戦わないために」、最初から通学を選ぶことにしました。通学であれば、講義日が決まっていて、ペースを作ってくれます。教材もカリキュラムも一式揃っているので、あれこれ迷わず、講師の指示に従って進めるだけで良いという安心感もありました。

費用面については、それなりの負担がありますが、雇用保険の「教育訓練給付金制度」を活用すれば、一定額が戻ってくるため、トータルでは少し軽減できました。
「守破離」という考え方と、通学で得られた空気感
通学を選んだもう一つの理由に、私自身が大切にしている「守破離(しゅはり)」という考え方があります。これは、まず師の教えの「型」を素直に守る「守」から始まり、やがて自分流へと発展させていくという学びのステップです。
今回の社労士試験受験において、少なくとも合格までは「守」だと思っていました。私が選んだ予備校には長年の合格実績と、合格に導くためのノウハウがあります。私のように時間が限られている立場からすれば、あれこれ手を広げるよりも、実績のある方法を信じて従うことが最も生産的だと考えました。ノウハウコレクターにはなりたくなかったのです。
実際、初回の授業で教室に入ったときに感じたのは、ピリッとした緊張感。老若男女さまざまな人が席につき、皆が真剣な表情で講義に集中している光景に、思わず背筋が伸びました。「ここに来たからには、自分も本気で取り組まなければ」そう感じたのを、今でも覚えています。同じ目標を持った仲間がそばにいることが、自分にとっての大きなモチベーションになったのです。

速習コースを選んだ決め手とスケジュール
私が実際に選んだのは、1月開講の速習通学コース(日曜クラス)でした。この速習コースの大きなメリットは、「1月から8月の本試験までに一通り学習を終えられる」ということ。ちょうど受験を決意した時期が1月だったので、スタートタイミングがぴったりだったのも決め手でした。
社労士試験では、合格までに必要な勉強時間は一般的に1,000時間程度といわれています。私の場合、通勤時間を含めても1日に取れる勉強時間は平均して約3時間が限界でした。(往復の電車で約2時間+昼休みや待ち時間などの隙間時間で1時間)
このペースだと、どうしても1,000時間に達するまでに約1年かかる計算になります。 そのため、最初の8月の受験は「試験慣れと基礎固め」に位置づけ、2回目の受験で合格を狙うという現実的なプランを立てました。
- 1回目の試験(最初の8月)まで: 全体像の把握と基礎固め
- 2回目の試験(翌年8月): 合格レベルの完成度を目指して再挑戦
自分に合った学習環境を整える工夫
通学コースには「平日夜に週2日通うコース」と「日曜に1日2コマ受けるコース」がありましたが、私は日曜コースを選びました。その理由は単純で、平日は毎日残業があるかどうか読めないからです。仕事で障害対応の残業があれば、予備校の授業に間に合いません。
その点、日曜であれば休日出勤の可能性は比較的低く、安定して通えると判断しました。ただ、社労士の勉強をしていることを職場では公言していなかったので、職場には「家庭の事情で、日曜の出勤はできるだけ控えてほしい」とだけ伝え、土曜や祝日の休日出勤はむしろ積極的に引き受けるようにしました。
また、通勤や通学中の電車の時間も有効活用。片道1時間ほどだったので、テキストを読む時間としてしっかり使いました。この移動時間だけで1日2時間分の勉強時間を確保することができました。
まとめ
このようにして、私は「自分の性格」や「生活リズム」に合わせた学習スタイルを選びました。
予備校は決して安くはありません。でも、私のようにペース管理が苦手な人間にとっては、講義に通い、流れに乗ることで自然と前に進める環境が何より重要でした。合格までの道のりを考えたとき、「この方法でなら続けられる」と思えたこと。それが、通学を選んだ最大の理由だったと思います。
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