社労士試験では、どれだけ勉強しても、最後のカギを握るのは「当日の準備と過ごし方」です。今回は私が2回の受験で得たその実体験をもとに、社労士試験当日の過ごし方や注意点を具体的にご紹介します。
模試は「実力チェック」ではなく「本番の予行演習」
模試を受ける時に、「本番とは違うし」と軽く考えていませんか?私も1年目はそうでした。模試はあくまで“実力を測るテスト”としか思っておらず、深く考えずに受けていたのです。
ですが迎えた本番当日は、慣れない環境、普段と違う持ち物、思い通りに動かない手元…。思わぬ小さなミスや焦りが積み重なり、実力を出し切れないまま終わってしまいました。悔しさと後悔だけが残った1年目でした。
2年目、私はこの失敗を教訓に、「模試=本番のシミュレーション」と考え直しました。特に重視したのは、以下の3つです。
1.【筆記具】シャーペンから鉛筆へ。書きやすさと安心感がある
1年目はシャープペンシルを使っていましたが、芯が折れる・へこむ・マークが薄い・消し跡が残るなど、細かいトラブルが多く、気が散ることがありました。
そこで2年目は、シャープペンシルから鉛筆に変更。さらに、次のようにマークシートの塗り方にも工夫しました。
- 鉛筆を立てて、マークの外側(ふちの部分)をはみ出ないようになぞる
- 鉛筆を寝かせて、太くなる角度でふち取りの中を塗りつぶす
この方法で、素早くきれいに塗ることができ、時間の節約につながりました。また、鉛筆のほうが消し跡も残りにくく、マークシートをきれいに修正できた点も安心できました。
2.【消しゴム】毎回“新品”を使う理由
消しゴムは毎回、新品を用意しました。角のある柔らかい消しゴムは、古くて固いものに比べて消しやすく、マークシートを汚しにくいからです。小さなことに思えても、「確実に消せる」という安心感を大切にしました。
3.【勉強環境】静かすぎる勉強の環境は本番では仇になる
予備校の知り合いには、いつも耳栓を使って勉強していた人がいました。本番で耳栓が使えず、「周囲の物音が気になって集中できなかった」と言っていたのが心に残っています。
私は、通勤電車やカフェなど、騒がしい場所で勉強することが多かったので、本番でもある程度、周りの騒音に耐えることができました。この経験から、図書館や静かな自習室だけでなく、うるさい環境にも慣れておくべきと感じました。

模試は実力を測るだけでなく、「本番で自分がどれだけ集中できるか」を試す大事な予行演習です。試験当日を安心して迎えるためにも、模試をただ受けるのではなく、環境・道具・習慣を本番と同じようにすることが重要です。
本番で実力を出し切るために、模試を最大限に活用してみてください。
持ち物や昼食は事前に決めてルーティン化する
試験当日は、想像以上に緊張するものです。だからこそ、持ち物や昼食の準備といった自分でコントロールできることは、なるべく同じにおくことで、余計な心配を増やさずに済みます。
昼食は「決まった内容を」「決まった手順で」持参する
私は模試の段階から、次の理由で昼食は必ずコンビニのおにぎり3個に統一していました。
- 消化が良く、腹持ちも悪くない
- においや汁もれの心配がない
- 食べる量を簡単に調整できる
- 本番当日の行動をルーティン化できる
また、試験会場近くのコンビニは混雑や売り切れのリスクが高いため、必ず自宅近くで買って持参。これにより、当日の「昼食をどうしよう」という余計な不安や迷いがなくなりました。
飲み物は「常温のペットボトル」で
飲み物も、次の理由で冷たいものではなく常温のペットボトルを選びました。
- 冷たいとお腹を冷やし、腹痛のリスクがある
- 結露で持ち物やテキストが濡れるのを防げる
また、試験中に飲める時間帯には制限があるため、試験前の注意点の説明でその点をよく確認しておくことも大切です。
時計は「シンプルなアナログ」がベスト
私が使った時計は、3針のシンプルなアナログ時計(アラーム機能なし)でした。理由は以下の通りです。
- デジタルと違って、「残り時間の感覚」が目視で把握しやすい
- アラーム機能付きは試験中にアラームが鳴る不安がある
こういった「余計な不安要素がない道具」が結局一番だと思います。
最後まで粘れる“自作の暗記手帳”が救ってくれた
私は本番当日、「不得意科目のテキスト」と、いつも持ち歩いていた自作の暗記ポイントだけをまとめた小さな手帳を持っていきました。行きの電車の中や休憩時間にパラパラと見直すことで、最後の確認をすることができました。
実際に、2年目の試験では、この手帳で直前まで見ていた健康保険の「高額療養費」が出題されました。
そのおかげで、選択式問題で満点(5点)を獲得。このことは本当にうれしかったです。

本番で緊張するのは当然。だからこそ、当日は、迷いなく過ごせる状態を作っておくことが、合格の可能性を高めてくれます。
模試の段階から、持ち物や昼食を“本番通り”にしておくこと。それが、集中力維持するコツだと思います。
服装と体調管理も“戦略”の一部にする
試験当日の服装や体調管理は、勉強と同じくらい大切な注意点です。試験会場は大学などの教室が多く、席の場所により空調の効き方に差がある場合があります。特に冷房の風が当たるような場所では、寒さで試験中に気が散ってしまうことがあります。
私は2年目は、Tシャツ+長袖シャツ+厚手のカーディガンという重ね着スタイルにして、調整を行いました。
1年目は半袖+薄手のカーディガンだったため、カーディガンを着ても冷え込んだ教室では寒く、そのことが気になって問題に集中できなかったことを覚えています。試験当日の服装は、どんな環境にも対応できることが大切だと実感しました。
また、試験前日は、体調を崩さないことが最優先です。私は以下のことを意識しました:
- 食事は普段通り(脂っこい・新しいメニューは避ける)
- 極端に早く寝ようとしすぎず、平常のリズムで就寝
- スマホやSNSから距離を置く(余計な情報は見ない)
いつもと変わらず過ごすことが、コンディションを整える最大のコツでした。
午前と午後の気持ちの切り替えがカギ
社労士試験は午前・午後で長時間に及ぶため、集中力とメンタルの維持が大切です。特に重要なのは、午前の出来に引きずられないという事です。
私も午前の試験が終わった時に、「やってしまったかも…」と不安になりました。しかし、「救済制度もある。」「午前のことは忘れて午後に集中しよう」すぐにこう自分に言い聞かせました。
こうして気持ちをリセットしたことが、最終的に合格につながったと感じています。
また、時間に余裕がある場合、答案の見直しは以下の点に気を付けました。
- マークミスの確認(ズレや記入漏れ)を重視する
- 明らかな誤答のみ修正する
- 迷った問題は「最初の直感」を優先し、基本的には変更しない
知らない言葉や選択肢に出くわすと、「こっちが正解かも…」と迷いたくなりますが、試験中に不安から判断を変えると、かえって誤答してしまうこともあるかと思います。
まとめ
社労士試験に合格するには、知識だけじゃなくて、当日にベストを出せるように“準備と注意点”をしっかり押さえておくことが肝心なのです。
- 模試を本番と同じ環境で行う
- 服装・持ち物・昼食などをルーティン化して不安を減らす
- 午前・午後の気持ちの切り替え方や、見直し時の判断基準をあらかじめ決めておく
これらの積み重ねにより、当日、安心して試験に集中できました。「知識+本番力」の両方があってこそ、試験を乗り越えることができるのです。
模試や前日準備も含めて、自信をもって不安なく試験に集中できる環境にすること。それが、合格への一歩になるはずです。
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